6月17日
2001年6月17日

「命にいたる道」

使徒言行録2:14-36


 
 ペンテコステの出来事に続いて、驚いて集まってきた群衆にペテロが長い説教をし

ています。聖霊をいただいた教会の最初の説教、教会の説教の原点がここにあります

このような言葉が信じる者を生み出し、悔い改めを起こし、教会を建ててきたのです

から、ここで何が語られるかに注意深く耳を傾ける必要があります。ここに命に至る

道が示されているのですから。

 しかし、この説教を一読して、激しく心を動かされ、これによって回心して群に加

えられた3千人の仲間にはいるのは難しい基がします。目前の事態と旧約聖書の言葉

の不思議な結びつけ、話の不思議な飛躍。しかし、そこには本当のことを知っている

者のもつ揺るがすことのできない確信と不思議な力は確かに感じられます。ペテロは、

今自分たちが示されるままに他国の言葉で神のみ業を語るようになったのは、預言者

ヨエルが預言している通りのことが実現した事態であること、あなた方が十字架にか

けて殺したが神が死者の中から引き上げられたイエス・キリストからの聖霊がこのこ

とを起こしているのであることを語っています。そして、キリストが死者の中から引

き上げられ復活されたことも、ダビデが詩篇の中で語っているとおりのことだ、とい

うのです。

 何よりも、ここでペテロが事柄と事柄を結びつける独断的・一方的とも思える驚く

べき結びつけに注目しましょう。まず、ペンテコステの日に起こった出来事を、終末

の日に聖霊が注がれる出来事と結びつけています。きのうが今日に続く連続の出来事

ではなく、神のもたらす終わりの日、神の裁きと救いが実現する日の出来事と大胆に

結びつけています。きのうが今日に続く連続の中の出来事ではなく、神のもたらす終

わりの日、神の裁きと救いが実現する日の出来事と大胆に結びつけられています。次

に、終わりの日の出来事として注がれた聖霊とナザレのイエスと結びつけています。

しかもそのイエスは、「あなた方が十字架にかけて殺した」イエスを、神が死人のな

かからよみがえらされ、メシアとされたイエス、復活して天にあげられ神の右に座し

ておられるイエスです。そして、このイエスは、父から聖霊を受けて「しもべ、はし

ため」に注ぐイエスです。そして更にペテロの説教では、このメシアとされたイエス

から送られた聖霊と「あなた方」と結びつけています。「悔い改めなさい。めいめい

イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば

賜物として聖霊を受けます」。このような不思議な論理の展開、不思議な事柄の結び

つけ、確かに、この一つ一つが終末の日を生き抜く「福音」、命に至る道の入り口の

鍵を示しています。


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