8月8日
2004年8月8日

「一つとなるために」

詩篇103:1-16;ヨハネ17:1-26


 わたしたちは、ニケヤ信条の一つ一つの言葉が表している聖書において証しされて

いる信仰について学んできました。これによって、わたしたちが信じ、礼拝する神は、

漠然とした「無」のようなものではなく、父、子、聖霊の三位において働かれる唯一

の神であること、御子、主イエス・キリストにおいて、ご自身で啓示される三位一体

の神であることが明らかにされました。この三位一体の神を信じることによって、教

会は、人間の歴史の中で起こってきたあらゆる種類の偶像礼拝、人間の神格化、自己

讃美、信仰の独善性と閉鎖性、形骸化の荒波をくぐりぬけてきたことを知りました。

初代の教会において三位一体の信仰が確立するに足るまで、そのただ中でも、神の言

葉を人間の言葉に変え、自分の理解できる枠の中で神を捉えようとした様々な典型的

な誤謬があったことを学びながら、現代の人間中心的な世界のただ中にいるわたした

ちは、どのように神との正しい交わりを持っているかについても、反省させられます。

 神を信じ、神に祈り、神の導きにあずかって生きるということは、神との生きた人

格的な交わりをもつということです。それは、神ご自身のうちにある、父、子、聖霊

の交わりに、わたしたちがあずかる、ということを味わい知る時、神との交わりの現

実にふれたことになります。キリスト者の宗教体験の本質はここにあります。神ご自

身の中に父、子、聖霊の交わりがあります。それぞれの働きは、神ご自身の中に自足

しているのではなく、交わりを求めておられ、その交わりの中にわたしたちを招き入

れてくださいます。ヨハネによる福音書にある主イエスの祈りは、次のようにわたし

たちのために願い求めてくださっています。「聖なる父よ、わたしに与えてくださっ

た御名によって彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つになるため

です。」(17:11)「父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内

にいるように、すべての人を一つにしてください。」(21)。父と子の真の愛の交

わりによってわたしたち一人一人が生かされ、罪の中で惜しみなく奪い合う世界の中

で、真の交わりが回復され、一つになることを望み見ることができるのです。わたし

たちが一つになるために、御子はどのような働きをされたのか、御父はどのような決

断をされたのか、聖霊は何をわたしたちに伝えたのかを味わう時、わたしたちの交わ

りがはじまります。


秋山牧師の説教集インデックスへ戻る

上尾合同教会のホ−ムペ−ジへ戻る