5月6日
2007年5月6日

「 バラムのろば 」

民数記 22:22-35 コリントの信徒への手紙二 6:1-10


 ヨルダン川の東、モアブの地で、イスラエルがまったくあずかり知らないところで

ドラマが展開されていました。イスラエルの民を見たモアブの王は、恐怖に駆られて

神の人バラムを招いて呪いをかけてもらおうとしたのです。バラムは「わたしの神、

主の言葉に逆らうことは事の大小を問わず何もできません」との決意のもとに、イス

ラエルを呪うために立ち上がり、モアブの地に出かけます。そして、結局、呪うため

に出かけたはずなのに、モアブ王の意に反して、また危険をおかして「祝福」を語る

ことになってしまう、と言う不思議なドラマです。「主なる神の言葉に逆らうことは

何事もできない」との決意がその通り実行されるために、さらにもう一つのドラマ、

ロバがものを言う奇想天外の物語が展開されます。

 バラムが聞いた主のことばは揺れています。最初は「行ってはならない」、二度目は

「立って彼らと共に行くがよい」、そして、彼が出発すると「神の怒りが燃え上がり」、

主のみ使いは彼を妨げる者となって恐ろしい姿で立ちふさがります。バラムには見え

ませんが、ロバにはこれが見えますので、道をよけ、石垣に身をすり寄せ、ついには

道端に座り込んで動けなくなります。そのたびにバラムは怒りを激しく燃え立たせ、

ロバを激しく打ちたたき、ついにロバがものを言い始める。神の救済計画に立ちふさ

がって呪うために立ち上がったバラム、そのバラムの進む道に立ち塞がる主の使い、

その危険な構図を見抜くロバ、そして、ロバだけが痛い目にあって打ち殺されそうに

なる。なんとも不思議な展開ですが、どこかで思い当たる光景です。ついにロバが口

を利き始めます。「わたしがあなたに何をしたというのです。三度もわたしを打つと

は。」しかし、ロバがバラムの目を開いて、恐ろしい姿で立ち塞がっている主の使い

のことに気づかせたのではありません。「主がバラムの目を開かせた」のです。では、

ロバが口を利いてバラムに教えたことは何か。それは、「わたしはあなたのロバです・・・

今まであなたにこのようなことをしたことがあるでしょうか」と言う言葉です。ロバ

はロバの「天の仕事」を忠実にはたしています。そこから、神の人バラムの仕事の仕

方について問いかけているようです。神の言葉を自分の利得のために語ろうとしてい

るのではないか、と。このロバの口のゆえに、バラムは命の危険を冒して呪いではな

く祝福を語るものとされているのです。


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