8月30日
2009年8月30日

「 主は彼らと共に働き 」

イザヤ書32:15-20 マルコによる福音書16:15-結び二


 マルコによる福音書の終わりには、二つの後代に付け加えられた結びの言葉があり

ます。二つとも主イエスの弟子たちによって福音が全世界に広められることへの展望

が語られていますが、教会が主から受け取った使信のそのスケールの大きさに驚かさ

れます。十字架の死より復活した主イエスはなおも不信仰とかたくなさの中にある弟

子たちに向かって、「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝え

なさい」と命じられます。その命令に従って、「弟子たちは出かけて行って至るとこ

ろで宣教した」、ということになります。

 ここでわたしたちは興味深い変化が起こっているのに気づかされます。わたしたち

は、この福音書を通して「神の子イエス・キリストの福音」を聞いてきましたが、そ

の福音は、主イエスご自身が「神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と語

り、また、悪霊に憑かれている人や病人を癒し、目の見えない人を見えるようにし、

歩けない人を歩けるように、罪人を招き、と愛のわざを行われることによって知らさ

れるものでした。しかし、ここからは、福音は弟子たちの宣教によって告げ知らせら

れることになります。また、その福音の内容は、神の子、主イエス・キリストの存在

そのもの、その生と死、そして復活によって明らかにされた神の救い、罪の赦しと和

解についての言葉に変わっているのです。福音を託された弟子たちといえば、主の十

字架の死の責任の一端を担っているような人たち、復活の知らせを聞いてもなかなか

受け入れないような人たち。この人たちのが語る言葉が「福音」となり、神の救いの

御業が告げ知らされることになるのです。しかも、この福音は、「信じてバプテスマ

を受ける者は救われる。しかし、信じないものはさばきを受ける」と語られるように、

救いと滅びを分けるほどの重要性を帯びたものです。福音は洪水の避難警告に似て安

全への導きであるとともに滅びの警告でもあるのです。主イエスご自身が彼らを通し

て働かれなかったら、一歩も前に進むこともできなかったのは確かです。「イエスご

自身も、東から西まで、彼らを通して永遠の救いに関する聖なる福音を広めた。」全

教会の「アーメン」が聞こえてきます。


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