12月13日
2009年12月13日

「 人を分け隔てされない神 」

ヨシュア記3:1‐17 使徒言行録10:34 - 48


 コルネリオスというカエサリアに駐在していたローマの百人隊長とその仲間が、ペ

トロの宣教によって洗礼を受け、はじめてユダヤ人以外の「異邦人」と呼ばれる人た

ちがキリスト教会の仲間入りをした出来事。今日、世界中でクリスマスが祝われてい

ますが、キリスト教の福音が世界的な広がりをする突破口が開かれた歴史的な出来事

です。コルネリオとペトロ、それぞれに不思議な幻と天使のお告げがあってペトロが

コルネリオの家を訪ね、そこにいた人々に主イエス・キリストの生涯と神の救いの計

画を語った時、一同に聖霊が下りました。こうして異邦人が主の体の肢としての仲間

に加えられたのです。

 この出来事は、二つの大きな驚きと発見に導かれています。その一つは、「神は人

を分け隔てなさらない」という発見でした。神の選民たるユダヤ人と他の異邦人との

間には明らかな分け隔てがあり、見えない壁がありました。わたしたちの間にも、建

前としては、差別のない平等な社会の中で生きていますが、実情としては、明らかな

分け隔てがあり、互いに通じ合わない壁に閉ざされた中で、自分の通じる言葉と習慣

の中に生きていることに居心地の良さを感じて生きているところがあります。人と人

を分け隔てる最も厚い見えない壁は、宗教と言語をめぐるもので、その壁を越えて真

の対話が広がることは容易ではありません。コルネオスの招きを受けて、そこの家の

人たちに自由に彼の神について語れるということがどれほどの驚きであったか、そこ

に主イエス・キリストによって示された新しい神の御計画の展開を見たのです。もう

ひとつの発見は、ペトロが話し終わらないうちに聖霊が彼らの上に下った、という驚

きと発見です。ただ対話の世界が開かれただけでなく、キリスト者を最も深みにおい

て導いている主イエス・キリストの霊が、異邦人の上にも彼らと全く同じように注が

れたのです。分け隔ての最後の一線が取り除かれている事態に直面させられたのです。

こうして、教会は世界中の民に広がって行きました。わたしたちの教会は、この時、

初代の教会が驚き、発見した神の経倫に同じように驚き、目と心を開かれ、神の計画

に従って歩んでいるか。それは絶えざる主なる神からの問いです。

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