4月11日
2010年4月11日

「 信じない者でなく、信じる者に・・・ 」

詩編 118:14〜29  ヨハネによる福音書20:19〜31


 十字架の死を遂げてから三日後、主イエスは弟子たちに復活の姿をあらわされます。

そのとき決まって語られる言葉は、「あなたがたに平和があるように」です。日曜日

毎に」シャローム」と語られるのです。ヨハネによる福音書20章19節以下には三

度その言葉が語られています。1)ユダヤ人を恐れて戸を閉ざしている弟子たちのと

ころに現れた時。2)喜ぶ弟子たちに聖霊の息を吹き込まれ、宣教のために派遣する

言葉と共に。3)トマスの疑いによって動揺する弟子たちの群れに再び現れた時。そ

れぞれの場面で語られるシャロームは復活の主が語られるシャロームの意味の広がり

と豊かさをあらわしています。

 最初のシャロームは、主は復活されたとの知らせが届いていたにもかかわらず、今

なお恐れと不安に閉じこめられている弟子たちの真ん中に立って、ご自分の手とわき

腹をお見せになって語れています。弟子たちの群れは今なおこの世の罪と死が支配す

る世界の中に生きています。それは彼らの外で猛威をふるっているだけでなく、彼の

心の中をも支配しています。過去にとらわれて生きているのです。主のシャロームは、

そのような世界から彼らを解き放って、新しい時に向かって生きる力と喜びを与えま

す。

 第二のシャロームは、「聖霊を受けなさい。父がわたしをお遣わしになったように、

わたしもあなたがたを遣わす」という言葉と共に語られています。この言葉は重い言

葉です。父が主イエスをお遣わしになったのは、「主イエスを見て父を信じる者は、

永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命に移っている」と語られています。

その命を与える働きへと遣わされるのです。聖霊が注がれ、そして、復活の主のシャ

ロームが響き渡る中で、人々を死から命へ移す働きは続けられます。

 第三のシャロームは、最も印象的です。疑うトマス。主の手を脇に手を差し入れて

みなければ決して信じないとかたくなに信じることを拒んでいたトマス。主のシャロ

ームは、このトマスとその仲間に語りかけられます。一人の魂を真に復活の主と出会

わせ、とらわれから解放し、遣わすために、シャロームが語られるのです。復活の主

は、今日も、シャロームと語られます。

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