ダニエル書 2:25-49 ヨハネによる福音書 17:1-13
バビロンの王ネブカドネツァルがみた夢は奇妙な夢でした。巨大な像、頭と顔は輝 く金、胸と腕は銀、腹と腿は青銅、すねは鉄で足は陶土と鉄、その像は人の手によら ないで掘り出された一つの石によって粉々に砕かれ、塵となって吹き飛ばされ跡かた もなくなる。この王の夢をダニエルは見事に言い当てただけでなく、それによって、 現在とこれから起こる王国の命運について予兆されていることについて語りました。 人が眠りの中で見る夢を言い当て、その意味を告げ知らせる、誰にもできるはずのな いことがダニエルにはできたのです。どうしてそんなことが出来たのか、ダニエルは こう言っています。「王さま、夢は占いや魔術で分かるものではありません。でも、 天の神がおられ、人の心の秘密を明かしてくださいます。王さまが眠っている間に天 の神がこれから起こることについて知らせたいと思われたこと、そのことをわたしが お伝えすることができます。」ダニエルが王の夢を理解することが出来たのは、超人 的な能力によるのではなく、彼の天の神に対する信頼にあったのです。どれほど絶対 的な権力をもってこの世界を支配しているように見えても、この世界を支配している 真の支配者は王ではありません。次の時代には次第に没落して行くのです。そして、 人間は、そのことを、どこかで感じ、恐れと不安に襲われますが、その正体は自分で もわからないのです。しかし、真の歴史の支配者は天の神であり、また、人の心の秘 密を明かされるのも主なる神です。その神の御心とその支配のうちにある正義と公平 と平和がどのような姿であるかに深く思いをひそめる時、現在の人間の願いや欲望に よる支配を見極め、それがどのような明日を招来するかの見通しをつけることができ る、このような思考過程は、現在のわたしたちにも通じる話です。 母の日に主なる神を礼拝することは、真に理にかなっています。母はすべての人の 心を形成し、心のふるさとです。しかし、母が人間の心を回復する究極の命の原点で はありません。命の創造者である天の神がおられ、わたしたちの罪を引き受け、赦し、 罪と孤立から救い、心の秘密を明かされる、この神に、母も子も立ち返り、そこから 新しく生きるべき場所が礼拝だからです。
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