12月25日
2011年12月25日

「 地の果てまで、神の救いを仰ぐ 」

イザヤ書52:7-10 ; ルカによる福音書2:1-20


 クリスマスに語られる神からのメッセージは、「良い知らせを告げる者の足は、

何と美しいことか」と讃えられ、また、「地の果てまで、すべての人がわたしたち

の神の救いを仰ぐ」とイザヤが預言したような大きなスケールの喜びの知らせです。

天使ガブリエルがマリアに告げた知らせも、聖霊によって身ごもることになる子は

「偉大な人となり、いと高き方の子」と呼ばれ、「父ダビデの王座をくださる」と

約束された子どもです。しかし、その子どもが生まれるために設定された時と場所

は、何と予想されたものとは、懸け離れたものであることか。ローマ皇帝の勅令に

よって振り回されるユダヤの国、臨月を迎えた身重のマリアを連れて生れ故郷に帰

って行くヨセフ、長い旅の末、迎え入れてくれる親戚も宿屋もない旅人、「彼らが

ベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで

飼い葉桶の中に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」との

有名な言葉は、天で約束され計画された出来事と、それが地上で実現する現実の落

差がどんなに大きいかを物語っています。この乳呑児を受け入れた地上の場所は

「飼い葉桶」であった、ということは、神の側で選びに選び、救いに主に最もふさ

わしい場所として用意された場所であったのです。そのことは、羊飼いたちに「こ

れこそが、あなたがたへのしるしです」と天使が告げた言葉によって確認できます。

この小さな、貧しい家族が旅先で出会った初子の出産の出来事が、どれほどの大き

な、世界的な出来事であるかを知らせる重要な働きのために、天が周到に考え、選

びに選んだ人々は「ベツレヘムの野原で、野宿しながら、夜通し羊の群れの番をし

ていた羊飼いたち」であった、この落差にも驚かされます。天使は、彼らに「恐れ

るな。民全体に伝えられる大きな喜びを告げる」と言って、「今日ダビデの町に、

あなたがたのために救い主がお生まれになった」と告げたのでした。「民全体に与

えられる大いなる喜び」と「あなたがた」、ほかならぬ、夜通し野宿しながら羊の

番をしている羊飼い、との組み合わせは何とも不思議です。神はこのようなかたち

で、「地の果てまで」、すなわち、わたしたちにも、神の救いを仰ぐ」ことが出来

るようにしてくださったのです。

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