9月23日
2012年9月23日

「 揺り動かされる天と地 」

ハガイ書 2:1-9 ; ヘブライ人への手紙 12:25-29


「あなたがたは語っている方を拒むことがないように気をつけなさい。」ヘブライ

人への手紙は、主イエスが贖いの血を用意してわたしたちを天の都に迎え入れてく

ださることを明らかにした上で、この方を拒むことがないようにと強く勧めます。

「わたしたちは揺り動かされることのない御国を受け継いでいるのですから感謝し

よう。感謝の念をもって、畏れ敬いながら神に喜ばれるように仕えていこう」と、

これはわたしたちを生涯を貫く礼拝へと招く勧めです。これらの勧めの中に不思議

な言葉が挿入されています。「もう一度、地だけではなく天をも揺り動かそう」と

いう預言者ハガイの言葉を引用しながら、「この『もう一度』は、揺り動かされな

いものが存続するために、揺り動かされるものが造られたものとして取り除かれる

ことを示しています」と。

 わたしたちは一年半前に東日本大震災によって、大地が揺れ動くということがど

ういう事態を引き起こすものであるかを目の当たりにしました。その前では、人間

の造り出したものがいかに弱く、もろく、不安定なものであるかを思い知らされた

のです。聖書には「地が震えおののく」といった表現がよく出てきますが、これは

自然の現象としてではなく、主なる神が怒りと裁きのために行動を起こされるとき、

また、救いのために動き出されるとき、地は震え山々は揺れ動かされるのです。し

かし、このヘブライ人への手紙では、地が揺り動かされるのは、神が行動を開始さ

れたということだけではなく、そこに選別が起こること、それによって揺り動かさ

れて壊され取り除かれるものと、不動の堅固なものとが分けられることが示されて

います。確かに、わたしたちは圧倒的な破壊的な力、全てのものを飲み尽くすもの

の中から揺れ動かされるところのないものを見出してゆかなければなりません。

 しかし、ここで「もう一度地だけでなく天をも揺り動かす」と語られている言葉

の意味を、この書の著者は、単に自然の現象を予告しているのではなく、主イエス

・キリストにおいて起こった出来事のことと捉えていることに注意しなければなり

ません。主イエスの生と死において成し遂げられたことこそ、天と地とを覆し、全

く新しい揺れ動くことのない御国を開くことであった、というのです。この福音の

事態に、私たちも招かれているのです。

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