1月6日
2013年1月6日

「 起きよ、光を放て 」

イザヤ書 60:1-6 ; マタイによる福音書 2:1-12


 1月6日は、「公現日」(エピファニー)といって、東方教会ではこの日を主イ

エスの誕生を祝う日として盛大な祭りが行われます。この日に教会で読まれてきた

のがイザヤ書60章の「起きよ、光を放て。あなたを照らす光は昇り、主の栄光は

あなたを照らす」というみ言葉です。待ちに待った神の救いの到来を告げる力強く

権威に満ちたみ言葉。わたしたちも、このみ言葉に励まされて、新しい年を歩みま

しょう。

 力強い言葉は続きます。「見よ、闇は地を覆い、暗黒が国々を包んでいる。しか

し、あなたの上には主が輝き出で、主の栄光があなたの上に現れる。国々はあなた

を照らす光に向かい、王たちは射し出るその輝きに向かって歩む」と。ここで「あ

なた」と何度も呼ばれてますが、その「あなた」とは誰のことなのか。

 イザヤ書60章が書かれた時代のことを考えると、ここで「あなた」と呼ばれて

いるのは、バビロンの捕囚から帰還したイスラエルの民です。解放されはしたもの

の、わずかの財産を手にして、とぼとぼと故国に帰る民。希望も萎え果てて、腰を

下ろしそうになる民に、「起きよ、光を放て」と鼓舞します。

 しかし、この言葉は神の永遠の言葉ですから、時代を超えて働きます。この言葉

は、ベツレヘムの野原で夜通し羊の番をしていた羊飼いたちに救い主の誕生を告げ

る天使たちや、東方で星のことを調べていた占星術の博士たちを導いた星にも語り

かけます。世々の教会はこの預言の成就として、あのクリスマスの出来事があった

と聴きました。またこの預言は、主イエスご自身に向かって「あなた」と呼びかけ

ている、とも読めます。とりわけ、わたしたちの罪を負って十字架にかかり、墓に

横たわっている主イエスに、三日目の朝、天よりの声が響き渡ります。わたしたち

の罪のために十字架に死に、この呼び声とともに三日目に復活された主から照り出

でる光は、もはやわたしたちを死の支配と闇の中に閉じ込めず、光を放つ者へと変

え、自由と解放を与えます。

 何よりも、この「あなた」は時代を超え、国を超えて、代々の教会に、そして、

いま生きているわたしたち一人一人に呼びかけます。「起きよ」と。上からの光が、

私たちを立ち上がらせます。

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