創世記 11:1-9 ; ヨハネによる福音書 14:15-31
主イエス・キリストの復活の日から数えて50日目、ユダヤの3大祭りの一つ 「ペンテコステ」の日に起こった出来事を、2千年後の今、この教会で、覚えて礼 拝しているということはまことに不思議なことだと思います。そのとき120人ば かりの主イエスの弟子達がエルサレムの2階座敷に集まって祈っていたときに、突 然はげしい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、炎のような舌が分かれ分かれ に現れて、一人ひとりの上にとどまった。すると一同が聖霊に満たされて、霊が語 らせるままにほかの国々の言葉で話し出した、教会のはじめの出来事です。聖霊は 風のようなもので、目で見ることも手で触れることも出来ません。にもかかわらず、 その出来事が2千年間もリアルに覚えられているということは、聖霊の働きは絶え ることなく今も生きていること、その確かな印を教会の中に見ることが出来ること を証ししています。聖霊の生きた働き、そのリアリティーを認識するためには、信 仰の目、霊的なものを感じる心、出来事の背後にあるものを見抜く力が与えられな ければなりませんが、ヨハネによる福音書には、聖霊を感知するための重要な手が かりを伝えています。 ヨハネ福音書には、十字架にかかられる前夜、弟子達の足を洗われた日に、「決 別の説教」といわれる主イエスの言葉が記されていますが、その中で、聖霊のこと を特別に「弁護者」(パラクレートス)と呼んでいる箇所が4回出てきます (14:15,25;15:26;16:7)。そばにいて助ける者、慰める者、弁護する者など 広い意味を表す言葉ですが、これらの中で聖霊の重要な働きが解明されています。 主イエスによれば、聖霊は、1)父のもとから主イエスの名によって遣わされる霊 であって、「わたしが去って行かなければ弁護者はあなたがたのところに来ない」 とか、「父は別の弁護者を遣わして永遠にあなた方と一緒にいるようにしてくださ る」と語られて、天の父と御子イエス・キリストと別の位格でありつつ、一体の交 わりにあること、2)聖霊は、「あなた方にすべてのことを教え、わたしが話した ことをことごとく思い起こさせてくださる」方、「真理の霊」であること、3)聖 霊は、また「永遠にあなた方と一緒にいる」方、「わたしの平和をあなた方に与え る」方であると知らされます。まさに、聖霊のこの存在と働きによって、今わたし たちがここで礼拝していることが起こっているのです。
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