6月1日
2014年6月1日

「 創造と摂理の信仰の益 」

ヨブ記 1:12-22 ; ローマの信徒への手紙 8:31-39


『ハイデルベルク信仰問答』

 問28:「神の創造と摂理について知ることは、わたしたちにどのような益をもたらし

     ますか?」

 答え:「どんな逆境にあっても忍耐強くなり、また、幸運な祝福されている時には感

謝するようになる、ということです。将来に対しても、わたしたちの真実の信頼すべき

神であり、御父であるゆえに、どんな被造物もこの神の愛からわたしたちを引き離すこ

とはできません。すべての被造物がこの父の御手の内にあるのですから、御父の御意思

なしには揺るがすことも動かすこともできないからです。

 使徒信条の第1条項は、神の創造と摂理を信じるというこの世界のすべてを包む壮大

な領域にかかわることですが、この信仰からどのような益を得ることができるかという、

主体的なわたしの生き方においてその信仰がどのような力と影響を及ぼすのかが問われ

ます。信仰は、単なる世界観ではなく、日々のわたしの生き方、わたしの生きる方向、

わたしの言葉と行いに確実に益をもたらすものでなければなりません。その答えは、わ

たしたちの主イエス・キリストの父であり神である方が、わたしの父でもあり神でもあ

ると信じることによって、わたしたちには逆境にあっても自暴自棄に陥ることなく「忍

耐」し、順境にあっては自負と誇りの虜になることなく「感謝」し、あらゆる出来事にも

かかわらず「将来の見通し」をもって終わりの時に向かって行くことができる、と教え

られます。

 このような積極的な、現実的な確かな創造と摂理の信仰によって生きた人々の模範を、

わたしたちは聖書の中に数多く見ることができます。兄弟に裏切られてエジプトに売ら

れ奴隷から身を起こしたヨセフが兄弟に再会して語った言葉、「わたしをここへ売った

ことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたし

をあなたたちより先にお遣わしになったのです。」キリストのゆえにすべてを捨てたパ

ウロの言葉。「わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、

御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。・・誰がキ

リストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。艱難か。苦しみか。迫害か。

飢えか。裸か。危険か。剣か」


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