9月6日
2015年9月6日

「全生活にわたる感謝 」

アモス書 5:4-8 ローマの信徒への手紙 6:15-23


『ハイデルベルク信仰問答』の第三部、「感謝について」の学びに入ります。「生きる

ときも死ぬ時もただ一つの慰め」を得るためには、自らの悲惨さがどれほど大きいか、

また、その悲惨さから救われるために神の側から差し出された救いの手段、神の御子

主イエス・キリストによって成し遂げられた罪の赦しの恵みを信じ受け入れることに

続いて、その恵みに対して感謝と喜びをもって応答する生活をしなければならない事

がこの第三部で教えられます。具体的には、十戒と主の祈りの解説が柱となります。

ここでわたしたちは、自分の信仰がどのような実りをもたらしているか、わたしたち

の生活、心と行動がどれほどキリスト者にふさわしい者となっているかを点検するた

めの基本が示されるのです。

『ハイデルベルク信仰問答』の第三部は、「どうしてわたしたちは善行を続けなけれ

ばならないのですか」という問いから始まっています。キリスト者は、良い行いをし

なければならない、聖なる者とならなければならない、という律法の必然、強制、責

任からは解放されている。なぜなら、わたしたち罪人にとって不可能なことを主イエ

ス・キリストが十字架の死と復活をもって肩代わりして下さったから、その無条件・

無償の恵みを信じさえすればよい、というのが、これまでの救いの教理が教えること

でした。だとしたら、どうして、また、良い行いをしなければならない、他者を自分

のように愛さなければならない、神に喜ばれる聖なる者にならなければならないとい

う必然、強制、責任の下におかれなければならないのか、このキリスト者独特のジレ

ンマとどのように取り組み、どのようにこの内的な葛藤を克服してゆくかは、わたし

たちの信仰生活の深化にとって、重要な課題です。キリスト者独特の内的規範、行動

基準の持ち方はここから出てくるからです。

信仰からふさわしい行為への道筋ができるために、三つのことが語られています。

1)主イエス・キリストの贖いの御業によって、また聖霊の導きによって新しく生ま

れ変わらせていただいた者は、全生涯をあげて感謝をささげる内的な促しが与えられ

る、

2)神への感謝と賛美が心にあふれる現実と結果を経験することによって、自分自身

の信仰への確信が深まる、3)神への感謝と賛美の生活が実現される時、関わりのあ

る他者・隣人の心にもキリストを求める機会を与え、信仰へと導くことができる、こ

れら各項目は重要です。


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