5月15日
2016年5月15日

「真理の霊が共に…」

創世記 11:1-9 ヨハネによる福音書 14:15-24


 ペンテコステの出来事は、主イエスの昇天後に主の弟子たちがエルサレムに集まっ

て祈っていた時に、「突然激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、彼らが座

っていた家中に響いた。そして炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上に

とどまった。すると一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに他の国々の言葉で話

し出した」と言う出来事、教会の誕生の出来事を記念します。教会はどこから始まっ

たかを覚えることは大切です。しかし、聖霊の働きはこのような過去の特別の時、特

別の場所での出来事としてだけ起こるのではないことを信じることはもっと大切です。

 ヨハネによる福音書では、主イエスが聖霊について「弁護者」という表現であらわ

し、その独特の働きを教えています。「弁護者」は、「助け主」「同伴者」「守護者」な

どとも訳せますが、主イエスがいなくなった後、父のもとから遣わされる真理の霊で、

「永遠にあなたがたと一緒にいるようにして下さる」、「あなたがたのところにとど

まっており、あなたがたのうちにおられる」、「あなたがたにすべてのことを教え、

わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる」などと語られて、この弁

護者、真理の霊がどのような働きをされるのかを明らかにしています。

 ここで注目したいのは、主イエスは「別の弁護者」を遣わすように父にお願いして

いることです。「別の」ということは、本来の弁護者があるということで、それは誰

なのでしょう。言うまでもなくそれは主イエスその方であるに違いありません。「御

父の下には弁護者、正しい方、イエス・キリストがおられます」と1ヨハネ2:1にも

記されている通りです。主イエスは地上の歩みにおいても、また復活・昇天の後にお

いても、まことの弁護者・助け主・同伴者として働いておられること、そして、別の

弁護者として聖霊を父のもとから遣わし、主イエスの語られたこと成し遂げられたこ

とをことごとく思い起こされ、その臨在を示してくださる、というのです。「別の弁

護者」聖霊が働くとき、「わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、

わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる」と語られます。このよ

うな父と子の交わりの中に「あなたがた」を入れてくださると約束されます。

 ここで「あなたがた」と何度も呼びかけられているのは誰のことでしょうか。主イ

エスの十字架と復活、昇天を経験した使徒たちだけのことでしょうか。主の呼びかけ

は、聖霊の働きによって代々の教会に、そして、今、ここに生きるわたしたちにも及

んでいます。


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