10月15日
2017年10月15日

「主よ、お話しください」
サムエル記上 3:1-14 ローマの信徒への手紙 10:14-17


 旧約聖書に出てくる預言者の最初の人サムエルが神様の呼びかけをはじめて聴いた

ときのことが聖書にしるされています。サムエルは神様の言葉を人々に伝えてイスラ

エルの歴史の展開に重要な働きをした人です。その中でも、サウル王、そしてダビデ

王と二人の王に油を注いだ預言者でした。

 まだサムエルが少年の時のことです。12歳くらいだったでしょうか。3歳くらいの

頃から祭司のエリが仕えているシロという町の神殿に預けられて、年を取った祭司エ

リの働きを助けていました。そのころサムエルは神殿にやってくる沢山の人びとが祭

壇に小羊や牛やハトなどをささげて礼拝するのを助けたり、神殿の掃除をしたり、毎

日忙しく働くだけでなく、夜も神殿にある神の箱のところで寝て、夜じゅう灯を絶や

さないように守ったり、祭司エリが年を取ってできなくなった仕事を代わってするよ

うになっていました。そんな夜に、寝ていたサムエルに「サムエルよ、サムエルよ」

という声が聞こえてきたのです。サムエルは、きっと祭司エリが呼んでいるに違いな

いと思って、急いでエリのところに行って、「お呼びになりましたので、参りました」

と言います。エリは、「わたしは呼んでいない。行っておやすみ」と言うばかり。こ

んなことが3度もあって、ついに祭司エリは気づきました。これは主がサムエルを呼

んでおられるのだ、と。そこで、祭司エリはサムエルに言います。「もしまた呼びか

けられたら、『主よ、お話しください。僕は聞いております』と言いなさい」と教え

ます。4度目、またサムエルが眠っていると、「サムエルよ、サムエルよ」と呼ぶ声

が聞こえます。サムエルは祭司エリに教えられたとおりに、「主よ、お話しください。

僕は聞いています」と言って、これからイスラエルに起こる大切なことを聞かされる

ようになりました。

 少年のサムエルにイスラエルの国の将来について告げられ、サムエルを通して神さ

まの計画が知らされるようになったということは、神さまはサムエルが生まれる前か

らその時を待っておられたのでしょう。わたしたちは一人一人にも神さまの計画が与

えられています。サムエルは神殿の働きをしていましたが、神さまが呼びかける時や、

その呼びかけの声をどのように聞いたらよいかについては知らされていませんでした。

人間の声しか聴けなかったのです。祭司エリは知っていました。わたしたちにとって

何よりも大切なことは、人間の声ではなく主からの呼びかけを聴くことだ、と。エリ

は、また、大切なことを伝えました。主からの呼びかけがあったとき、「僕は聞いて

います。主よ、お語りください」と。何よりも聴くことだ、と。


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