5月27日
2018年5月27日

「心に刻む新しい契約」
石原 勝代 牧師   エレミヤ書 31:31-34 ローマの信徒への手紙 11:25-36


「初めに神が天地を創造された」この言葉は、聖書全体を貫く、変わることのない真

理です。すべてのはじまりがここにあります。神が造った世界で、人間も神によって

命を与えられました。ですが、人間は自らの意志で神から離れ罪人となり、エデンの

園から追放されます。でも神は人間に滅びという裁きを与えることはなさいませんで

した。人間を見捨てはしない。必ず罪の世界から救い出す、これが神の計画です。神

が始めた世界は、終わりの日に完成することを目指しています。その終わりの日、す

べての人が神の国に入ることができるように、神は罪ある人間をどうやって招き入れ

るか、計画して歴史の中で働きかけているのです。すべての人を罪から救い出す、そ

こには、何の区別もありません。イスラエルも、異邦人も神の前に等しい一人の人間

として、同じように救いの道が開かれているのです。

 エレミヤは、イスラエルの危機に対して、神に立ち帰れと何度も呼びかけました。

でも、その言葉が民に受け入れられることはありませんでした。イスラエルの歩みは、

神への背信、裏切りの繰り返しでした。そしてついに、国が失われていきます。滅び

てゆく国の歴史を踏まえたうえで、「見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新

しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる。」(31:31) その絶望の民へ、エレミヤが

言います。やがて、来るべき日には、ひとり一人が神の律法を心に記すときがくる。

これが「新しい契約」です。いま、国は亡びるが、これが終わりではない。必ず救い

の日が訪れる。国の滅び、散らされる民、帰る場所を失うという絶望の中にあって、

なお、イスラエルを守り導く神は、神に心を向ける者を救い出すと、エレミヤを通し

て希望を示すのです。

 イエスの処刑に恐ろしくなって隠れていた弟子たちのところには、イエスが自ら姿

をあらわします。とても自分から立ち上がることが出来ないくらい、力を失い悲しむ

人、弱っている人のもとへ、復活したイエスさまの方から、来てくださるのです。そ

のイエスさまは「聖霊を受けなさい」と言われました。その言葉の通りにペンテコス

テに降った聖霊がいま、わたしたちを支え、導きます。

 すべてにおいて、神の導きが先行しています。わたしたちが神を忘れ、神から離れ

てしまったとしても、一度結んだ契約を神が忘れることはありません。新しい救いの

計画が始まっています。神と一対一の関係です。信仰の本来のあり方が明確にされま

した。一人ひとりが神との関係を心に刻むのです。そして、聖霊なる神に祈り求めて

ください。すべてのことを神さまが取り計らってくださいます。神の計画は、完成を

目指して進んでいるのです。

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