6月17日
2018年6月17日

「青年は育つ」
久保島 理恵 牧師   ダニエル書 1:1-21 テモテへの手紙二 1:3-14


 バビロンの王ネブカドネツァルは、捕囚の民の中から、家柄もよく、健康で美しく、

才能と知恵に恵まれた優れた少年たちを選び出し、自分に仕える人材に育てようとし

ました。この中にダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの4人がいました。興

味深いことに、ダニエルたちは密かに肉と酒を拒み、野菜と水だけを食します。それ

は彼らがバビロンの宮廷にあっても、神の民として生きようとしたあらわれです。彼

らはこの世の巨大な権力の下におかれ、不自由で不安定な身の上でした。しかしすべ

てを支配しておられるのは神さまだけですから、彼らはぎりぎりの状況の中で、何と

かしてこの方にのみ従おうとしたのです。

 神さまの御手は、ダニエルたちの上に確かに伸ばされていました。それゆえ三年後、

王のそばで仕えるようになったのは、毎日肉や酒で養われた少年たちではなく、野菜

と水しか口にしなかったダニエルたちでした。しかも神さまがダニエルたちにお与え

になった知恵と理解力のゆえに、王は彼らを頼りにするようになったのです。

 ダニエルたちは、捕囚の困難の中に生きる、若き信仰者たちの姿です。バビロンの

宮廷の中で彼らは圧倒的な少数者でした。周りに神さまを信じる者はほとんどいませ

ん。神さまを信じ続けられる環境もほとんど整っていません。それでも彼らは信仰を

持ち続け、神の民の一員として生きようとしました。このダニエルたちの様子は、わ

たしたちの信仰共同体の若い世代、信仰を継承する次世代の姿に重なります。

 わたしたちも先達から福音のバトンを引き継ぎ、それを次の世代に渡そうとしてい

ます。しかしこの世には、信仰者を神さまから引き離そうとする力が、そこかしこで

うごめいています。それらは肉と酒のように、大変魅力的で、抵抗しがたく、日々少

しずつ心身を侵食することも少なくありません。けれども、神さまは今日もそっとわ

たしたちの若きダニエルたち、幼きダニエルたちを育てておられます。ほとんどだれ

にも気づかれない、ごくごくささやかな仕方で、けれどもアイデンティティーに深く

関わる仕方で、神さまは今日も彼らに寄り添い、ひとりひとりを育ててくださってい

ます。神さまの御業は、いつでも人間の思いをはるかにこえて成し遂げられるのです。

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