ダニエルはまだ少年のころに異教の国バビロンの宮廷に連れて来られました。でも
ダニエルには3人の信仰の友がありました。信仰で結ばれ、苦しい時を一緒に乗り越
え、いざという時には祈り合うことのできる友です。自分を含めてたった4人でした
が、それは確かに神さまを信じる信仰者の群れでした。この信仰の友の祈りに支えら
れ、ダニエルは神さまから王の夢の謎を明かされます。
ネブカドネツァル王の夢は、バビロンをはじめとする大国の興隆を表すものでした。
メディア、ペルシャ、ギリシア。歴史を振り返れば、いくつもの大国が栄華を誇りま
したが、どれも決して永遠ではありませんでした。夢の最後には、「人手によらず切
り出された石」が巨大な像を足元から打ち砕き、その像は粉々になって消え去ります。
そして国々を滅ぼした一つの石は大きな山となり、全地に広がっていきました。夢の
結末の鍵となる「人手によらず切り出された石」は、神さまの御手によるものです。
つまり、どんなに栄華を誇った大国も神さまの支配下に置かれており、終わりの時を
迎えることを意味しています。そしてその時には、神さまご自身が神の国、神さまの
ご支配を完成させるのです。
全歴史は神さまの力の下に置かれています。歴史の主は神さまです。だからわたし
たちは、「人手によらずに切り出された石」が全地に広がるときを待ち望みます。そ
して新約を知っているわたしたちは、この不思議な石に主キリストを見出します。神
さまはこの世の罪を断罪するだけの方ではありません。御子キリストを通して、罪を
贖ってくださいました。そして御国の完成へと導いておられます。
ですから、わたしたちはキリストを通して罪が贖われた歴史の中に生きています。そ
れゆえ信仰者は神さま以外、何も恐れません。どんなことがあっても諦めません。現
実に対してどこまでも誠実に向き合います。忍耐強く、思慮深く、賢明に対処します。
何事もおろそかにせず、今日の自分の役割を忠実に果たします。歴史を導く神さまが
働いてくださっているからです。
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