バビロンの王ネブカドネツァルは、すべての人々に王の建てた巨大な金の像を拝む
ことを命じ、拝まない者は燃え盛る炉に投げ込むと脅しました。けれどもダニエルの
友人たち三人は真の神さまを信じていたので、金の像を拝もうとしませんでした。こ
れを知った王が問いただすと、三人は言いました。「このお定めにつきまして、お答
えする必要はございません。わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の
手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。そうでなくと
も、御承知ください。わたしたちは王様の神々に仕えることも、お建てになった金の
像を拝むことも、決していたしません。」(16-18節)三人は縛り上げられ、燃え盛
る炉の中に投げ入れられました。しかし炉を見ていた王は驚いて、思わず立ち上がり
ます。炉の中でも三人は生きていたからです。しかもそこにはもう一人の姿が見えま
した。その人物は神の子のような姿をしていました。
新約を知るわたしたちの目には、四人目の姿に神の御子キリストが重なって見えま
す。苦難の中の者たちと共にいてくださるキリストです。キリストは、わたしたちの
内に生きておられます。火によって燃やされない命、死によって終わらない命が、キ
リストによってわたしたちに注がれているのです。ですから、たとえ不幸や災いに見
舞われたとしても、そしてそれによって自分の人生が終わるようなことになったとし
ても、神さまが自分をしっかりととらえていてくださるとキリストを通して確信を与
えられるのです。それはわたしたちがキリストの命に生かされているからであり、キ
リストがわたしたちの内に確かにおられるからです。そしてそのような確信の言葉を
語ることができたとき、そこには明らかに神さまの奇跡が起きています。
信仰者は、どんな時代であっても常に信仰のための戦いがあります。わたしたちに
はわたしたちの戦いがあります。たとえ弱々しくて、全く頼りないわたしたちであっ
たとしても、神さまはわたしたちに信仰を与えてくださり、四人目のあの方がいつも
わたしたちと共にいて励ましてくださっています。
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