12月16日
2018年12月16日

「天使は告げる」
 久保島 理恵 牧師  ダニエル書 8:15-27 ルカによる福音書 1:26-38


 天使ガブリエルはダニエルに雄羊と雄山羊の幻の意味を説明します。それは当時

の大国の盛衰を表していました。歴史の行方は神さまの御手の中にあります。本当

の支配者はこの世の王ではなく、神さまご自身なのです。ですからこの世の王がど

んなに驕り高ぶろうとも、神さまがお定めになった時が来れば終わります。

 この世のありとあらゆる事柄の背後には、神さまの御手が働いておられます。も

ちろんそのすべてがわたしたちに見えるわけではありません。むしろ見えないこと

の方が多く、わからないことの方がたくさんあります。それでもこの歴史を神さま

が導いておられると信じるがゆえに、わたしたちは絶望せずにこの世界で生きて行

けるのです。それがどんなに混乱した状況の中であっても…。

 神さまはこの世界をお造りになり、支え、保ってくださっています。そしてさら

に、この世界のただ中にご自身をあらわしてくださる方です。神さまは高みの見物

でわたしたちをただ見守っておられるだけではなく、自ら身を低くして歴史の中に

飛び込んできてくださるのです。それを告げているのが、母マリアへの予告です。

天使ガブリエルは、ダニエルにこの世の支配者の終わりを神さまが定めておられる

ことを告げ、そしてマリアに御子キリストのご降誕を告げました。歴史の主は単に

暴君の手をとめるだけではなく、自ら歴史の中に来てくださり、真の王となって救

いをもたらしてくださる方なのです。

 わたしたちの生きる歴史に、主キリストがお生まれになりました。この歴史の中

でキリストは十字架の上で死なれ、そして三日目に復活してくださいました。です

からわたしたちは、キリストによって贖われた歴史の中に生きています。確かに見

回せば、罪が闊歩しているようにしか見えない世界です。けれどもキリストにより、

すでに罪に対する勝利は決定的です。わたしたちはそれを知らされています。聖書

の御言葉を通して知らされています。だから御言葉に聴きつつ、ダニエルのように

自分に与えられた日々の務めを果たしながら、神さまの定めてくださった時を待ち

望むのです。


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