7月7日
2019年7月7日

「フィリピK―生きているお手本」
 武田 真治 牧師  フィリピの信徒への手紙 2:19-24


 伝道者パウロがフィリピの教会に手紙を書いた理由の一つが、フィリピ教会へテ

モテという伝道者を派遣したいという願いでした。今日の箇所からその願いを書き

始めます。「さて、わたしはあなたがたの様子を知って力づけられたいので、間も

なくテモテをそちらに遣わすことを、主イエスによって希望しています」です。

 テモテを派遣する理由は、一つにはフィリピの教会の中で仲間割れがあり、その

仲裁と解決のためでした。本当はパウロ自身が駆けつけたいところです。しかし牢

獄の中にいるために行くことができません。故に「テモテのようにわたしと同じ思

いを抱いて、親身になってあなたがたのことを心にかけている者はほかにいないの

です」と。

 ただ、テモテを派遣するもうひとつの理由が、最初の言葉にある「わたしはあな

たがたに様子を知って力づけられたい」です。彼を派遣することが、フィリピの教

会を力づけるというのなら分かりますが、むしろパウロ自身がテモテを送ることで

「力つけられる」と言っているのです。それは、テモテがフィリピに行き、そこで

の仕事を終えてパウロの元に戻って来た時にフィリピ教会の状況や会員たちの近況

についてつぶさに聞くことができ、おそらくテモテが行くことで教会内の仲違いも

解消されたという報告を聞けるだろうと想定しているからです。まさにパウロにと

って、その教会と会員たちが信仰を持って頑張って生きている様子や色々な事情も

ある中で踏ん張って生きている姿を知ることが、何よりの励ましになると言ってい

るのです。これは私たちも学ぶべき力の源ではないでしょうか?

 困難や試練が起こると自分のことで精一杯で、自分だけがなぜこんな苦しい目に

遭わなければならないのかと思い悩みます。しかし、他の信仰者も困難な状況でも

頑張って信仰に生きている様子を知ることで「ああ、自分もめげていないで頑張ろ

う」と思えるようになるのでは?

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