イエス様から手紙が書かれた7つの教会のある町の中で、当時最も大きく人
口も多かった町はエフェソでした。そして次に大きな町が今日の聖書の箇所に
登場する「スミルナ」の町です。この街はエーゲ海に臨む、美しい町であり、
アジアの冠と呼ばれていました。住民たちも更に良き町にしようという気運の
ある町でした。そのような町での伝道はよく進むようにも思えるのですが、実
際にはなかなか困難さが伴う伝道であったようです。それが「わたしは、あな
たの苦難や貧しさを知っている」です。他の教会への手紙にも「あなたの苦難」
という言葉は何度か出て来ますが「あなたの貧しさ」とあるのはこの教会だけ
です。これは経済的な貧困を指す言葉です。
実はスミルナの町はローマ帝国との繋がりが深く、住民に対してローマ皇帝
崇拝へ強要がとても強かったと言われています。皇帝礼拝をしたという証明書
まで発行されていたのでした。逆に言えば、皇帝礼拝を拒否する者への迫害が
とても厳しかったのです。公けの仕事に就けないばかりか村八分にされたり投
獄されたのでした。故にスミルナの信者たちは貧しさを甘受しなければならな
かったのでした。キリシタンへの迫害を思い出します!
そんな彼らにイエス様は「十日の間苦しめられるであろう。死に至るまで忠
実であれ」と言われます。聖書では普通、試練は四十日続くとされます(イエ
ス様の荒野の誘惑がまさに40日40夜)。つまり十日間は大したことはない、す
ぐに終わる試練だと励ましておられるのです。だから最期まで信仰を守り通し
なさいと。ここから教えられることは、信仰の基本は忍耐だということでしょ
う。耐え忍ぶことでしか越えられない時や状況があることを改めて思わされま
す。短気を起こさず、主の導きを信じて、生き抜くことを第一に考えるべきな
のだと!
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