黙示録の最初にはイエス様が七つの教会に送られた手紙が納められています
が、本日はその三番目の教会であるペルガモン教会への手紙です。この町は羊
皮紙で有名な町でした。ここには大きな図書館があったのですが、それまで使
っていたエジプトのパピルス紙が手に入らなくなったことを受け、羊の皮から
紙を作る製法を改良して増産できるようにしたのでした。それがペルガモンの
紙=羊皮紙として欧州全体に拡がって使われました。
イエス様は「わたしは、あなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタ
ンの王座がある」と最初に言われています。サタンの王座とは何なのでしょう
か?
ここにはゼウス神やアスクレピオス神などを祀る大きな神殿がありましたが、
それは他の町でも同様でした。次に「わたしの忠実な証人(=殉教者)アンテ
ィパスが、サタンの住むあなたがたの所で殺された」とありますから、このサ
タンとはキリスト者を殺す者ということです。当時、それだけの権力を持って
いたのはローマ皇帝しかいませんでした。このペルガモンはローマ帝国が定め
たこの小アジア地域の首都でしたから(より大きなエフェソではなく)、それ
がこのサタンの玉座の意味でしょう。ローマの権威を示すために、町の中央に
はローマ皇帝の立像が据えられており、その皇帝像を拝まない者は反逆者とし
て投獄されました。上記のアンティパスの殉教は皇帝礼拝を拒否した結果でし
た。みせしめにされたのでしょう。恐ろしい時代でした。しかしペルガモンの
信徒たちは挫けず信仰を守り通したのです。故にイエス様が「わたしの名をし
っかり守って、わたしに対する信仰を捨てなかった」と褒められるのです。こ
の「わたしに対する信仰」とは「わたしの信仰」とも訳せます。イエス様が示
された《死に至るまで忠実である信仰》です!
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