この詩編は「主よ、わたしの言葉に耳を傾け、つぶやきを聞き分けてくださ
い。」という神様への祈りから始まります。ただ「つぶやき」と言われると
(不平や不満)と思いますが、原文は(ハーギグ)で(思い巡らすこと)とい
う意味です。ある聖書は「ため息」と訳しています。まさに言葉だけでなく、
言葉にならない思いをも神様は「聞き分けて」下さると信じるからこそ祈るの
です。
そして「主よ、朝ごとに、わたしの声を聞いてください。」と続きます。こ
の詩編5編は《朝の詩編》と呼ばれていることがよく分かります。忙しい毎日
ですが、皆様は、毎朝、祈って一日を始めておられるでしょうか?
勿論、私たちの信仰はユダヤ教やイスラム教のように一日の決まった時に祈
りを献げなければならないことはありません。しかし一日を始めるに当たり、
たとえ短い時間でも祈りをもって始めることは必要だと思います。
この詩編の祈り手が、毎朝祈る言葉は「主よ、恵みの御業のうちにわたしを
導き、まっすぐにあなたの道を歩ませてください。」なのです。素晴らしい言
葉ではないでしょうか。特に「あなたの道を」と。自分の思い通リ、願い通リ
の道を歩ませてとは祈っていません。神様が備えて下さっている道があるはず
だと。その道を歩むことが自分にとって一番ふさわしいと信じているのです。
そして、その道を「まっすぐに歩ませて」欲しいと。私たちの人生はどうして
も迷い疑い、横道にそれたり、戻ってしまったりしてしまうものですから、
「まっすぐに生きていく」ことに憧れます。少しでもそうありたいと願って生
きて行こうと。この言葉を私たちも毎朝の祈りの言葉にしてはいかがでしょう
か。たとえ10秒間でもいいですからこの言葉を祈り、一日を歩み出しましょう!
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